ピルは子宮がん発生リスクの減少効果が?!意外なメリットを紹介!

ピル

低用量ピルの効果として最も有名なのは「避妊」ではないでしょうか。

しかし、低用量ピルの効果は「避妊」だけではなく、「月経困難症の改善」や「子宮内膜症の治療」などに使われることもあります。

そんな低用量ピルですが、意外な効果として「子宮がん発生リスクの減少」の効果が期待できることをご存じですか?

ここでは、ピルのたくさんの効能の中でも「がん発生リスクの減少」という部分にスポットを当てて解説していきたいと思います。

低用量ピルは子宮がん発症リスクを軽減できる?

低用量ピルには子宮がんの発症リスクを軽減できる効果があるとされていますが、詳しく解説すると、「子宮体がん」に発症率を下げる可能性があるとされています。

一括りに子宮がんといっても実は子宮内膜に発生する「子宮体がん」と、子宮頸部にできる「子宮頚がん」に分類され、ピルは「子宮体がん」の発症率を下げる可能性が示唆されています。

また、低用量ピルによって発症リスクを抑えられるがんは、子宮体がんだけではありません。

  • 子宮体がん
  • 卵巣がん
  • 大腸がん

低用量ピルは、主にこの3つの癌の発症リスクを下げる可能性が期待できます。

では、次にどうしてこれらの癌の発症率を下げられるのか詳しく見ていきましょう。

低用量ピルは何故がん発症率を下げる可能性があるの?

低用量ピルには「子宮体がん」と「卵巣がん」の発症リスクを軽減する可能性を説明しましたが、具体的にどのような効果がリスク軽減に繋がっているのか、それぞれの癌ごとに解説します。

子宮体がん

エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの値が高いと、子宮内膜増殖症になり、後に子宮体がんや子宮内膜がんを発症することが分かっています。

ピルに含まれる成分がこのエストロゲンによる内膜腺細胞の増殖を抑制する働きがあることから、子宮体がんの発症リスクを軽減する可能性があるとされています。

また、ピルを服用している期間が長ければ長いほど、子宮体がんのリスクが抑えられていることが研究結果から明らかになっています。

卵巣がん

卵巣がんの発症要因には排卵回数が大きく関係していると言われています。

現代の女性の初潮から閉経までの平均月経回数は、約400回と言われています。

そのたびに排卵を繰り返していることになり、そのたびに卵巣がんの発症リスクも高まっていると言えますが、低用量ピルを服用している期間は、排卵を抑制しますので卵巣がんの発症率を下げられる可能性が期待できると言われています。

具体的な数字で表すと、ピルの使用を15年継続すると卵巣がんの発生が半減(約5割減)するという研究結果が、国際的な学術論文で発表されています。

さらに、服用を中止してもその効果は15年以上続くという報告もあります。

大腸がん

大腸がんの発症には血中性ホルモン濃度が関係しているという研究結果があります。

具体的には、子宮を持つ女性約16,600人が低用量ピルの成分であるエストロゲン+プロゲステロンの併用薬で検証したところ、大腸癌の発生リスクは37%低下したというデータです。

そのため、低用量ピルを服用することで大腸がんの発症リスクを下げる可能性があると報告されています。

低用量ピルで発症リスクが高まるがんもある

低用量ピルを服用することで発症リスクを抑えられるガンがある反面、実は発症リスクが上がってしまう癌もあるのです。

子宮頸がん

先ほども簡単に説明しましたが、子宮がんと言っても「子宮体がん」と「子宮頚がん」は発症する部位が異なるため、違う癌に分類されます。

子宮下部にある管状の部分を子宮頸部と呼び、そこに悪性の腫瘍ができることを子宮頸がん言い、子宮がんの約7割を占めると言われています。

子宮頸がんは、ピルの服用が5年未満では発症リスクの増加はわずかですが、服用期間が10年以上になるとリスクが2倍に増加するという報告があります。

ただし勘違いしないで頂きたいのが、そもそも子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)による感染が原因で、このウイルスが性行為によって子宮頸部に感染します。

子宮頸がんのリスクが上がる原因は、ピルが直接的に悪影響を及ぼすというよりも、ピルの服用を理由としたコンドームを使用しない性行為が増えることによるという理由も指摘されています。

性交渉の経験がある女性の半数以上は、1回は感染する可能性があるといわれていますが、そのうちの約90%の人は自身の免疫の力で自然に排除されます。

しかし、そのうちの約10%の人は感染が長期化し、数年以上をかけて子宮頸がんに進行します。

そのため、子宮頸がんはピルの服用をしていない人にも発症リスクは十分にあり、防止するためには性行為の際のコンドーム着用である程度防止することが可能です。

また、子宮頸がん防止ワクチンや、定期健診により早期発見により重症化せずに済みますので、ピルの服用の有無に関わらず自身で気を付けることが最も重要となります。

乳がん

実は、低用量ピルと乳がん発症率の関係性については様々な意見があります。

そもそも乳がん発症の原因の1つとして、女性ホルモンであるエストロゲンが関係しているといわれており、エストロゲンが分泌されている期間が長いほど乳がんを発症するリスクは高まります。

普及している低用量ピルの多くがエストロゲンとプロゲステロン類の混合剤であるため、服用期間が長期にわたると乳がんの発症率がわずかに高まるという意見もあります。

また、乳がん治療中の患者さんについては、乳がんを悪化させたり再発させる可能性もあるので、慎重投与するようガイドラインに記載があります。

海外の研究データには、ピルの使用期間が1年未満ではリスクは増えないが、10年を超えると1.38倍に増加するという報告もあります。

しかし、これはあくまでも海外のデータであり、過去のエストロゲンが含有されたピルは、乳がんの発症率がわずかに高まる可能性がありましたが、現在日本で取り扱っている超低用量と言われる種類のピルでは、乳がんの発症率を上げないと結論づけており、日本産婦人科学会が発表している「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」にも以下の掲載があります。

乳がんについては、家族歴、低用量経口避妊薬(OC)服用期間、服用開始年齢、ホルモンの用量や種類によるリスクの増加はなかった。

また、服用期間にかかわらずOCによる乳癌の死亡率の増加は認めない。女性に対しては、OCの使用によって乳癌リスクが増加する可能性は小さいと指導してよい。

抜粋:日本産婦人科学会編「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」

乳がんの発症原因はエストロゲンだけでなく、以下も関係があると言われています。

  • 初潮年齢が早い
  • 閉経年齢が遅い
  • 出産、授乳経験がない
  • 閉経後の肥満
  • 飲酒
  • 1親等の家族に乳がん患者がいる

このように原因は様々で、未だはっきりと解明されていない部分もあります。

低用量ピルを飲むことですべての女性が高確率で乳がんを発症するわけではありませんし、定期健診による早期発見で重症化を防ぐことも可能です。

心配な方は、医師と相談をして今の自分にとって服用するかしないか、どちらのほうがメリットが大きいか考えてから服用を検討するようにしましょう。

低用量ピルを服用する上での注意点

これまで見てきたように、低用量ピルを服用することで、発症リスクを軽減させる癌もあれば、リスクが増加してしまう癌もあることが分かります。

確かにピルを服用することで癌を防げる可能性もありますが、メリットとデメリットをよく考え、担当医師と相談の上服用してください。

また、女性特有のがん発症の危険要因とされている事項はいくつかあります。

  • 喫煙
  • 動物性脂肪の過剰摂取
  • 野菜・果物不足
  • 運動不足
  • 飲酒(飲みすぎ)

このように生活習慣が大きく関係していることもありますので、ガンの発症を減少させるには、まずは食生活や生活習慣を見直すことも重要なポイントと言えます。

そして、次に重要なのは早期発見です。

早期発見につなげるためにも、定期的ながん検診は欠かさないようにしましょう。

ピルには一部のガンを減少させる可能性もありますが、その反面増加する可能性があるガンもあり、まさに一長一短です。

大事なのはピルの特性をちゃんと理解した上で、今の自分にはどの程度メリットが大きいか把握してから服用することです。

ピルの服用とがんの発症率は関係があると聞くと不安に感じる人もいたかもしれませんが、先にお伝えしたように決して怖い要因だけではありません。

これらの情報も含めてピルの服用を検討してみてください。

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