月経カップで漏れる原因5つと対処法を解説|位置が浅い場合や経血量の問題など

月経カップ

月経カップを利用すると1度くらいは漏れる経験をしている人も少なくありません。

漏れる原因としては、位置が浅かった、経血量が予想より多かった、などがあります。

それらの対処法として、入れる位置や大きめのカップを使用するなど原因別にまとめているので参考にしてください。

月経カップで漏れる原因5つ

月経カップで漏れる原因はひとつではなく、いくつかの理由が考えられます。今回は実際の月経カップ使用者30人に対するアンケートを元に、月経カップで漏れる原因5つとその対処法について解説していきます。はじめに、主な月経カップで漏れる原因5つをご紹介します。

・位置の問題|位置が浅い、ズレていたなど
・経血量が予想より多かった
・うまく開かなかった
・サイズが合っていない
・長時間つけていた

上記の原因について、ひとつずつ解説していきます。

位置の問題|位置が浅い、ズレていたなど

最も疑われる原因として、位置に問題があることが挙げられます。なぜなら適正な位置にカップを装着しないとうまく膣内に密着しないため、漏れる原因となります。特に初心者の頃は装着に不慣れなので、カップの位置が浅くなってしまう傾向があります。

位置が浅いとカップが下がってきたり、うまく開かなかったりするのでいつまでたってもカップが密着しません。きちんと密着していないと、経血が漏れてしまうのです。

カップがズレてしまうことも位置に問題がある可能性があります。位置が悪いとカップが歪んで密着しなかったり、経血を受け止めきれず漏れてしまうことがあります。

カップを挿入してから痛みがあったり、違和感を感じる場合は位置が浅かったりズレている可能性が高いので、まずは位置の問題を疑いましょう。

月経カップが下がってくることについては以下の記事でも詳しくまとめていますので併せて参考にしてください。

月経カップが下がってくる原因と対処法|位置が浅いケースや角度の問題など

経血量が予想より多かった

自分が予想していたより経血量が多かった時、漏れてしまうことがあります。特に2日目や夜の寝ている時などは、自分が予想していた量を超えてしまうことが多々あるからです。

例えば一般的な交換頻度を守っていたにも関わらず、気づいたらカップがいっぱいになっていて漏れていた、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

また、夜寝ている時は長時間カップを交換できなかったり、寝返りした時にカップがズレて漏れてしまうこともあります。自分の経血量を正確に把握している人は意外と少ないため、自分の経血量に見合ったサイズを使っていないことも考えられます。

自分の経血量や交換頻度をつかめていないことが原因で、自分の予想より経血量が多く漏れてしまうことがあります。

うまく開かなかった

カップがうまく開かなかった場合も漏れる原因のひとつです。折り方とカップの相性が悪かったり、位置が悪いなどの問題が重なると、カップが適切に開かないため漏れてしまいます。

月経カップの素材は柔らかいものから硬いものまで多様な種類があります。従って素材に合った折り方をしなければうまく開かせることが難しいです。

例えば薄く柔らかい素材のカップを折り目の多い複雑な折り方にしてしまうと、うまく開かない可能性が高いです。合っていない折り方をしているうえに、位置や角度が悪いなどの問題も重なってしまうと、当然のごとくうまく開かせることはできません。

折り方と月経カップの相性や位置の問題は、うまくカップを開かせるために試行錯誤する必要があります。

サイズが合っていない

月経カップのサイズが合っていない人は漏れてしまう可能性が高いです。単純にカップが小さすぎて容量オーバーしていることが考えられるからです。

もしくはカップのサイズが小さすぎる・大きすぎる場合は膣内にフィットせずうまく密着してくれない、ということもあります。月経カップは経血量、出産経験の有無、身長、年齢、体型などから自分に最適なサイズを選びます。

しかしこの基準はあくまで目安です。人によって膣の形はそれぞれですので、サイズガイドに従って購入したものの実際使ってみて「合わない」と感じる人も多いようです。

最初に購入したカップのサイズが自分に合っていないことに気づかず、そのまま使い続けていたことで漏れてしまっている場合があります。

長時間つけていた

月経カップを長時間交換せずつけていた、なんてことも漏れる原因として挙げられます。長時間つけていると、やはりカップの容量オーバーで経血が漏れ出てしまいます。

カップは最長8〜12時間程度入れていても問題ありませんが、多い日は2〜4時間に一度交換する必要があります。移動が多かったり仕事が忙しかったりする日はついつい交換を忘れてしまいがちです。

自分の交換するタイミングを忘れていて気づいたら漏れていた、なんて失敗をした人もいるのではないでしょうか。個人差はありますが、特に多い日に長時間つけているとカップの容量オーバーは避けられないでしょう。

その他

意外と見落としがちですが、カップの穴が塞がっている場合も漏れる原因となっている可能性があります。穴が塞がっていると、膣内でカップがうまく開かず、経血をキャッチできないからです。

たいていの月経カップは、カップの上部に空気穴があけられています。例えば、カップの使用前と使用後に行う煮沸消毒を怠っていたり、毎日の洗浄をきちんとしていないと、穴の汚れが十分にとれていない可能性があります。

カップの穴は経血が詰まりやすいため、定期的なお掃除は欠かせません。カップの穴が塞がっていないかどうか、常に意識していないとカップがうまく開かず漏れる原因となってしまいます。

月経カップで漏れる時の対処法を原因別に解説

次に、月経カップで漏れる時の対処法を原因別に解説します。

・ 位置の問題|月経カップの位置や角度を都度変えてみる
・経血量が多い時はサイズの変更も考える
・うまく開かない時は折り方を変えてみる
・サイズが合っていない時はもう一度チェック
・長時間の利用が原因なら交換頻度のチェック

上記について、ひとつずつ解説していきます。

位置の問題|月経カップの位置や角度を都度変えてみる

月経カップの位置や角度を都度変えてみるなど、繰り返し色々なやり方を試してみましょう。一度で自分に合う装着方法をマスターできるものではないからです。

具体的には、位置が浅くなってしまう人は思い切って深めに挿入することを意識してみましょう。最初は「取れなくなったらどうしよう」「奥まで入れるのが怖い」という恐怖から、深いところまでカップを挿入できない人が多い傾向にあります。

適正位置は人によって違いますが、一般的な目安としては膣に差し込んで3〜4㎝くらいのところ(指の第2関節ぐらい)です。最低でも持ち手がすっぽり隠れるくらいまでは入れましょう。

カップがズレていた時はくるくる回したり、押ししたり引いたりして位置を調整しましょう。経血は子宮口から流れてくるので、子宮口の真下に装着するイメージで、真っ直ぐ入れるのがポイントです。

なお、月経カップが取れなくなることが心配な場合や、実際に取りにくいと感じる場合は以下の記事で対処法などもまとめているので併せて参考にしてください。

月経カップが取れないときの対処法|病院に行く前に試したいことや事前準備

経血量が多い時はサイズの変更も考える

経血量が予想より多かった場合は、大きいサイズのカップに変えることを検討してみましょう。初心者の頃は挿入と取り出しやすさを重視して小さいサイズから始めた方が多く、サイズが合っていない可能性があるためです。

私も最初は初心者向けの小さいカップを使っていたのですが、漏れてしまうことが多く悩んでいました。そこで思い切って大きいカップに変えたところ、漏れることはほぼ無くなりました。

大きいカップは挿入に不安があったのですが、小さいカップで挿入に慣れていたおかげかそれほど苦戦することはありませんでした。たいていどのメーカーにも経血量が多い人向けの大きいサイズがあります。

無感覚ゾーンに入ってしまえば全く存在を感じなくなるので、あまり心配しなくても大丈夫ですよ。すぐにカップを購入できない、という人はひとまずナプキンと併用して漏れを防ぐのもひとつの手です。

うまく開かない時は折り方を変えてみる

うまく開かなかった場合は、まずは折り方を変えて試してみましょう。カップの素材によっても合う折り方は違ってきます。重要なのは、カップが開きやすい折り方を見つけるまで試行錯誤してみることです。参考として、初心者でも簡単にできて開きやすい折り方を3つご紹介します。

・パンチダウン(リムの半分を内側に押し込む)

ある程度硬さのあるカップに向いています。カップの先端が小さくなるため挿入に痛みを感じる人や初心者におすすめの折り方です。

・Cフォールド(カップを半分に折って、リムをCの形にする)

カップを半分に折るだけなので、どんな柔らかさのカップにも向いています。硬いカップを使っている方や複雑な折り方が難しい人におすすめの折り方です。

・セブンフォールド(カップの右上を左下方向へ折り、リムを数字の7の形にする)

ある程度硬さのあるカップに向いています。カップの先端が平たく小さくなり、元に戻ろうとする力が強いので開きにくい方におすすめの折り方です。

持ち手を軽く引っ張り、抵抗があればうまく開いています。抵抗がなく、抜けてしまうのならきちんと開いていない可能性が高いです。そんな時はカップを何度か押したり引いてみたり、底部をペコペコ押してカップを開かせましょう。また、浅い位置だとうまく開かないので深い位置まで挿入することも必須です。

なお、パンチダウンとCフォールドの折り方については、動画を含めた内容で紹介していますので以下の記事も参考にしてください。

月経カップの折り方3選|開きやすい初心者向けのCフォールド、パンチダウンなど動画も

サイズが合っていない時はもう一度チェック

サイズが合っていないと感じた場合は、自分に合ったサイズに買い直すことをおすすめします。最初は一般的なサイズガイドに従ってサイズを決めたと思いますが、それが絶対に自分に合っているとは限らないからです。

よくあるのが思っていたよりもカップが小さかった、という例です。私も小さいサイズから大きいサイズに変えたことで、経血の漏れが圧倒的に少なくなったという経験があります。多くのメーカーが挿入と取り出しやすさの面から、初心者は小さいサイズから試すことをおすすめしています。

経血量が多い人でも「入るか不安だから小さい方がいい」と購入を決めた人も多いのではないでしょうか。反対に、カップが大きすぎた場合は挿入時に痛みを感じたり、うまく開かない場合もあります。

そういう時は無理をせず小さいサイズに変えることも検討しましょう。膣の形や経血量は年齢や出産経験などによって変化していくものなのでずっと同じサイズが合うとは限りませんが、その時その時の自分にぴったりのサイズを見つけていきましょう。

長時間の利用が原因なら交換頻度のチェック

長時間つけていたことで経血が漏れてしまった人は、自分のカップの交換頻度を記録することから始めてみましょう。自分がどのくらいの経血量でどの程度の交換頻度が最適なのかをきちんと把握することで、交換する癖をつけることができるからです。

例えば「生理2日目○○時に交換」など簡単に記録をつけておくと、次回の生理の時に参考にすることができます。挿入してしまえばカップが入っている感覚はほとんどないので、つい交換するのを忘れてしまいますよね。

しかし、ある程度決まったタイミングで交換する癖をつけておけば、忘れてしまうのを防ぐことができますよ。

その他の原因での対処法

月経カップの穴が経血などの汚れで塞がっていたら、きちんと洗浄しましょう。穴が塞がっているとカップ内の空気の出し入れができなくなり、うまく密着しない原因となってしまいます。

私は毎月煮沸消毒をする前に、つまようじで優しくお掃除しています。他にも先が細くなっている歯間ブラシや月経カップ専用の空気穴ブラシなどもありますので、自分がやりやすい方法でお手入れすると良いですよ。

自分では洗っているつもりでも空気穴のお掃除は意外と見落としがちなので、しっかり意識することを心がけましょう。

取り出す時に漏れる場合は?

ある程度経血が手につくのは許容しなければなりませんが、私の経験からなるべく手が汚れずに済む方法をご紹介します。手順は以下の通りです。

1.取り出す前にデリケートゾーンをトイレットペーパーなどで綺麗にしておく。
2.リラックスしてから下腹部に力をこめていきみ、カップを膣口付近まで降ろしてくる。
3.親指・中指・人差し指の先の方でカップの底部を少し潰しながら取り出し、素早く経血を捨てる。

私自身手が血まみれになるのが苦手で、なるべく汚れずに済む方法を模索していました。試行錯誤した結果、この手順で行うとほとんど手を汚さずにカップを取り出せるようになりました。

ポイントは下腹部に力をこめていきみ、カップを膣口付近まで降ろしてくるということです。取り出しやすいところまでカップを降ろすことができれば、指を膣内に深く入れずに済むので経血に触れるのを最小限にすることができます。

最後にカップの底部を潰す際は、なるべくカップが経血でいっぱいになっていない状態で潰すことをおすすめします。カップが経血でいっぱいになっていると、潰した瞬間経血が漏れてしまうからです。

慣れないうちはお風呂場で練習すると周囲に飛び散る心配をしなくて良いので、落ち着いてできますよ。どうしても手が汚れるのが嫌な人は、使い捨ての手袋を使うのもひとつの手です。

それでもどうしても漏れる場合は?

上記の対処法を試してもどうしても漏れてしまう人は、膣の異常や体調の問題も疑いましょう。膣の異常や体調不良は、カップが正常に装着できない原因となる可能性があります。何らかの体調不良を感じている人は、月経カップの使用を中止したほうが良いでしょう。多くのメーカーが下記の場合、使用の中断を推奨しています。

・泌尿器科系・婦人科系の疾患を罹患している場合
・膣内や膣口にかゆみがある
・排尿時に不快感がある

また、稀ではありますが身体的に月経カップが合わないという可能性もゼロではありません。例えばシリコーンアレルギーなど、月経カップの素材に対して何らかのアレルギーを持っている場合は注意が必要です。どうしても漏れてしまう人は、ご自身の健康状態をよく観察し、必要に応じて病院を受診することも検討しましょう。

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