月経カップを利用する上でネックになることの一つが、痛みや違和感を感じるケースです。
入れる時(挿入時)、取り出しの時(抜く時)、入れた後の中にある時など様々なケースで痛みを感じるとことがあるため、それぞれのケース別で対処法などをまとめました。
月経カップを入れる時(挿入時)に痛い場合の対処法
月経カップを入れる時(挿入時)に痛い場合は折り方を変えたり、その他の工夫で痛みが改善できることがあります。
痛くない折り方で入れる
月経カップで痛みを感じたことがある26人を対象し、「挿入時に痛みを感じにくい折り方」のアンケートを取った結果は以下のようになりました。(2022年1月クラウドソーシングにて実施のアンケート調査結果)
1位:Cフォールド
Cフォールドは最も簡単な折り方の一つです。
①カップの縁(ふち)の部分を持って潰し、全体を平べったくする
②そのままの状態で縦の真ん中を半分に折る
③カップの上から見てアルファベット「C」の字のようになっていれば完成
上記のように簡単な手順で初心者でも手軽にできる折り方です
複雑に折っていない分、挿入時にも引っ掛かりにっくくスムーズに入れやすい折り方の一つです。
ただし、挿入する際の先端部分はやや太めになるため、先端部分をより細くするには次のパンチダウンがおすすめです。
2位:パンチダウン
パンチダウンも非常に簡単で人気の折り方の一つです。
①縁(ふち)の一部分を中に入れ込む
②そのままつまんでカップを潰す
Cフォールドよりも先端部分が少し細くなるため、Cフォールドが少し太いと感じる場合におすすめです。
3位:三角折り
挿入時の痛みが感じにくい折り方として三角折りも人気でした。
①カップの縁(ふち)の部分を持って潰し、全体を平べったくする
②全体を斜めに半分におる
③カップの縁(ふち)部分と下にあるカップの側面が重なり三角形のような形となる
こちらも手順としては簡単な折り方です。
見た目からIフォールドと呼ばれることもあります。
先端部がかなり細くなるため、Cフォールド、パンチダウンが合わない場合などは試してみてください。
その他の痛みを軽減する対処法
折り方以外で挿入時の痛みを軽減する対処法についてのまとめです。
水や潤滑油をつけて挿入する
・ 水で濡らして滑りをよくしてから挿入する。(神奈川県・20代・女性)
・ 乾燥していると痛いし入らないので、念の為持ち運びの小さいボトルに入れたローションを持ち歩き、必要に応じて使っている。(千葉県・20代・女性)
挿入時の痛みを和らげる方法として一般的なのが水や潤滑油などで滑りを良くすることです。
特に水を使う方法は簡単にできるので最初に試してみるのもおすすめです。
潤滑油はローションなどを使う人が多いようです。
座ったり姿勢を変えながら試す
・ 出来るだけ膣の入口を広くするためにしゃがんだほうが痛みが無いなと思いました。洋式では難しいですが、和式の方が挿入の面でだけ見たら楽かなと思います。(福岡県・20代・女性)
・ 挿れるときの体勢を色々試してみる。(香川県・20代・女性)
意外と効果的なのが姿勢を変えて入れることです。
特に座って入れる方法に関しては痛みが大幅に軽減するケースもあるので試してみるのが良いでしょう。
座る以外でも姿勢を少し変えるだけで、痛みが和らぐケースがあるため色々な姿勢をためしてみるのがおすすめです。
挿入する向きや角度を調節する
・ 力任せにしないこと。入りやすい方向がその人によってあるので、探りながら装置する。(大阪府・30代・女性)
・ 膣の向きに合わせて挿入すると痛さが軽減されるので、膣の向きが分からない人は一度タンポンを使って確認したらいいと思います。(兵庫県・30代・女性)
挿入する際の向きや角度を変えるだけでも大きく変わることがあります。
微調整しながら自分に合う向きや角度を試してみましょう。
力を抜いてリラックスして入れる
・ なるべく力を抜いて入れるのと、あまり経血をあらかじめ拭きすぎないようにする(東京都・30代・女性)
・ 力を入れると痛いので、全身の力を抜く(東京都・20代・女性)
力を抜いて入れるという点も重要なことです。
特に月経カップの使い始めは緊張してしまうことも多いため、リラックスできる状況を作ることも重視しましょう。
その他
・ 呼吸をしながら吐いているときにさっと挿入する。(富山県・30代・女性)
・ 膣内が濡れた状態を保つこと(膣内シャワーやビデ等)(滋賀県・30代・女性)
その他にも上記ような意見がありました。
呼吸のタイミングを合わせて入れたりすることでも痛みの度合いが変わることがあります。
また、トイレのビデなどを利用するという方法も効果的であるため、必要に応じて試してみましょう。
月経カップの取り出し(抜く時)が痛い場合の対処法
月経カップの取り出し(抜く時)に痛みを感じる場合の対処法です。
姿勢を変えながら取り出す
・ 入れる時と同様に、膣の入口が閉まらないようにした方がいいのでしゃがむ体勢をとるといいと思います。(福岡県・20代・女性)
・ 中腰の姿勢になるとスムーズに抜けるようになります。(兵庫県・30代・女性)
・ 呼吸を整えて腰を低くした体勢で抜く(福岡県・20代・女性)
まず一番に気をつけたいのが取り出す時の姿勢です。
姿勢によって痛みの程度がかなり変わるケースもあります。
普通に立った状態の他、中腰や座った状態、足の開き具合などによっても変わって来るため、自分に合う姿勢を色々と試してみるのが良いでしょう。
自分で押し出す感覚を心がける
・ ステムを引っ張るのではなく、自分で押し出す感じを心掛ける。(神奈川県・30代・女性)
・ 呼吸をしながらフーっと息を吐きながら膣に少し力を入れる。(富山県・30代・女性)
取り出す時の感覚も重要であり、自分で押し出す感覚を身につけると痛みができにくというケースもあります。
腰に力を入れたり、少しいきむような感じを心がけると取り出しやすくなることもあるためこちらも試してみるのがおすすめです。
ゆっくり時間をかけながら取り出す
・ ゆっくりと周りを刺激しないようにそっと抜きます。(兵庫県・20代・女性)
・ 一気に取り出すのではなく、ゆっくり取り出すと馴染みながらすっと抜けます。(千葉県・20代・女性)
一気に取り出すと痛みが強いという場合は、ゆっくり丁寧に取り出すことも試してみましょう。ゆっくり角度を変えたり、まわしながら取ることで痛みが軽減することもあります。
なるべく力を抜いた状態で取り出す
・ 息をゆっくり吐きながらリラックスした状態で抜くと楽に取れる。(千葉県・20代・女性)
・ なるべく姿勢は斜め前に倒し、とにかく身体の力を抜く意識をする。(東京都・20代・女性)
体の力みによって痛みがでていることもあり、この場合はリラックスすることを心がけるだけでも痛みが軽くなることがあります。
特に使い始めはこれが原因になることもあるため注意しましょう。
潤滑剤などを使う
・ 挿入時と同様にローションを使い、一気にではなく、ゆっくり取り出していました(広島県・30代・女性)
挿入時と同様にローションなどを使うことも有効な対処法の一つです。
ローションを使う場合は手に塗って少しづつ月経カップにつけながら抜くのが一般的です。
他の手段でも痛みが強い場合はこちらも方法もおすすめです。
その他
・ 力を抜ける姿勢になるのと、経血をこぼすことをあまり恐れずにできる準備(便座をふけるおしりふきの用意や、衣類のポジション)をしておく。(東京都・30代・女性)
経血を周りにこぼさないようにという意識が強すぎで力んでしまっているような場合は、こぼしても大丈夫な環境にしてから取り出すということも心がけてみましょう。
自宅であればお風呂場で抜けば、周りが汚れてもすぐに掃除でき、シャワーで濡らしながら取り出すこともできます。
月経カップが取れない時の対処法は?
月経カップが取り出しにくくなった経験や取り出すのに苦労した経験がある人は少なくありません。
月経カップの利用者に実施したアンケートでは60%の人が出しにくくなった経験や取り出すのに苦労した経験があるという結果になりました。
しかし、最後まで取り出せなかったという人は5%のみであり、本当に取り出せなくなるは稀と言えます。
取れないと感じた時の対処法として、姿勢を変えて試す、お腹に力を入れる、ずらすようにして出すといった方法などがあり、まずはこれらを試してみましょう。
どうしても取り出せない時は婦人科などの病院・クリニックを受診してとってもらう必要がありますが、まずは以下の記事などで紹介している方法を試してみてください。
月経カップが取れないときの対処法|病院に行く前に試したいことや事前準備
月経カップを中に入れた後に痛い・違和感がある場合の対処法
続いて、月経カップを中に入れた後に痛みや違和感がある場合の対処法について、実際の利用者による対処法についてです。
入れる位置に注意
ちゃんと定位置に入れることを気をつける(30代・女性)
カップの位置を手前にしすぎないこと(20代・女性)
個人的に微妙な位置が関係していると思うので位置に気をつけるようにしてます。(30代・女性)
月経カップを入れる位置は痛みを抑える上でも重要なポイントです。
特に使い始めは怖くて奥まで入れらない人も多いですが、月経カップの適正位置は比較的奥の方と感じるケースが多いです。
最初に痛みを感じる場合でも少しずつ位置をずらしながら痛みを感じにくい位置を探るようにしましょう。
サイズや素材
自分に合っているサイズを見つけることです。(20代・女性)
カップをソフトの柔らかい物にしております。(20代・女性)
基本的なところですが、サイズが大きすぎて痛いという可能性も中にはあります。特に海外製のメーカーの月経カップである場合は日本人には大きすぎるケースもあります。
カップの素材に関してもいくつか種類があり、柔らか目のものを選ぶのもアリです。ただし、スポーツをする場合や移動で動きが多い場合などは硬め目の方が向いているケースもあるため、使用する場面を考慮して考えましょう。
開脚スクワット運動など
位置が合わなくて痛いときは開脚スクワットをしたりするとハマります。(40代・女性)
開脚スクワットなどで痛みが改善するケースもあります。
開脚運動・スクワット運動などで微妙に位置が変わるため、適正な位置にうまくズレてくれることもあります。他の方法と合わせて試してみるのも良いでしょう。
月経カップは痛い?何かしらの痛みを経験する人の割合
月経カップでは挿入時や取り出すし、さらには中に入れている時を含めて何かしらの痛みや違和感を経験する人は少なくありません。
以下は実際に月経カップを使用した経験のある女性20人へのアンケート結果です。
少なくとも慣れるまでは何かしらの痛みを経験した人が合計75%という内容でした。
アンケートの詳しい内訳として20代〜40代の月経カップ使用者20人のうち、痛みの経験が全くない「経験なし」の人が25%、使い始めは経験があるものの「慣れるとあまりない」人が40%、「使い慣れてからもある」という人が35%という結果でした。
このように月経カップを使う上で何かしらの痛みを経験する人は少なくありません。
一方で、使い慣れればあまりないという人も4割おり、痛みの原因は不慣れであることも多いと言えます。
月経カップは使い慣れると非常に快適な生理用品でもあるため、まずは色々な方法を試し自分に痛みができにくい使い方をみつけてみましょう。
なお、どうしても痛みが強い場合は、月経カップの種類が合っていない可能性も否定できません。
初心者にもおすすめの月経カップもある程度候補がありますが、実際の月経カップ利用者に聞いたアンケート結果を以下の記事でまとめているのでこちらも参考にしてみてください。
月経カップのおすすめのメーカー3選|初心者向きや安い、日本製、サイズが多いなど
月経カップが下がってくる場合や漏れる場合は?
月経カップを入れた後に下がってくる、経血が漏れる、という悩みがある人も少なくありません。
下がってくる場合や漏れる場合の原因として、月経カップを入れる位置が浅いケース、長時間入れすぎているケースが多くあります。
これらの対策としては月経カップを浅すぎない適切な位置まで入れる、こまめに経血を捨てる、といったものがあります。
月経カップが下がってくる場合の原因と対策については以下の記事で詳しくまとめているため、参考にしてください。
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