女性にとっては時にわずわらしく感じる生理ですが、食べ物で手軽に生理を遅らせたりできると便利と言えば便利ですね。
しかし、実際にそのようなことは難しく大豆やチョコなどの食べ物も噂レベルと言えます。
今回の記事では生理を遅らせる食べ物は本当にあるのか確認していきます。
生理と食べ物の関係性
生理の周期には、女性ホルモンが大きく関わっています。
女性ホルモンの働きは食べ物によっても左右されるため、食べ物によっては生理を遅らせる可能性や、逆に早めてしまう可能性のある物もあります。
基本的には、女性ホルモンのバランスを整えるために規則正しい食生活を送ることが大事なのですが、逆に言うと食べ物で女性ホルモンのバランスが変わり生理に影響を与える可能性もあります。
ただし、実際には食べ物の摂取によって生理を遅らせたり意図的にコントロールするのはあまり現実的ではありません。代表的な食べ物について詳しくみていきましょう。
生理を遅らせる可能性がある食べ物:大豆
生理を遅らせる可能性がある食べ物として「大豆製品」があります。
では、どうして大豆製品が生理を遅らせる可能性があるのか詳しく見ていきましょう。
大豆が生理を遅らせる可能性がある理由
豆乳や豆腐、納豆などの大豆製品には、イソフラボンという成分が含まれています。
大豆製品は美肌効果やPMS(生理前症候群)の緩和、骨粗しょう症の予防など、良い影響が期待されている大豆イソフラボンですが、過剰摂取するとホルモンバランスは乱れ生理に影響を与える原因となります。
このイソフラボンの成分は、女性ホルモン(エストロゲン)と化学構造が似ていているため、過剰摂取することで生理が遅れてしまう場合があります。
具体的にどの製品にどのくらい大豆イソフラボンが含まれているのかチェックしてみましょう。以下は、製品100gあたりに含まれる大豆イソフラボンの含有量一覧表です。
製品名 含有量(100gあたり) 納豆 65.6~81.3mg 豆乳 7.6 ~59.4mg 豆腐 17.1~24.3mg 油揚げ 28.8~53.4 mg 煮大豆 69.0~74.7mg きな粉 211.1~321.4mg みそ 12.8~81.4mg 引用:厚生労働省ホームページ
大豆イソフラボンの一日摂取目安量の上限値は70~75 mg/日となっておりますので、これ以上の量を摂取すると過剰摂取となります。
大豆イソフラボンは過剰摂取することで生理が遅れる可能性以外にも様々なリスクがあります。
大豆製品の過剰摂取に伴うリスク
大豆イソフラボンを過剰に摂取すると、子宮内膜症や乳がんの発症と再発リスクを高めてしまう可能性があります。
そのため、大豆イソフラボンのみを通常の食生活に上乗せして摂取する場合の安全性について検討され、厚生労働省からも「1日の上限摂取目安は70~75 mg/日」を推奨されています。
上限値を超える大豆イソフラボンを毎日長期間摂取してしまうと、健康被害が出る可能性も高くなるため、生理を遅らせるために大豆製品を過剰に摂取することは避けるべきと言えます。
また、大豆を過剰摂取したからと言って必ず生理を遅らせることができるわけではありません。ホルモンバランスが崩れた結果、逆に生理を早めたり生理の時期は変わらず症状だけが重くなると言った可能性もあります。
このような点からも生理を遅らせるために大豆を意図的に過剰摂取するのはやめましょう。
生理を遅らせる食べ物:チョコは本当?
他にも生理を遅らせる食べ物としてチョコも噂があるものの一つです。チョコには生理を遅らせるの他、早めるという噂も同時にあるようです。
結論として、普通のチョコに生理を遅らせたり早めたりする明確な根拠はありません。この点は以下の記事でもまとめているので参考にしてください。
生理を早める食べ物はチョコや豆乳?根拠の有無と確実な生理日移動
可能性の一つとして、チョコにも含まれる成分が不足していることにより体調が乱れているような場合、チョコを食べることで生理周期が整い結果として生理が正常になることによって遅くなったり早くなったと感じる可能性があります。
ただし、そのような作用は必ずしもチョコ特有のものではありません。
また、体調のバランスに影響を与えるほどの量のチョコを摂取した場合、生理に影響が出る前に体への悪影響の方が懸念されます。
チョコも大豆と同様、生理を遅らせたり早めたりと言った目的過剰摂取するのはやめましょう。
食べ物以外で生理を遅らせる方法
前述のとおり生理を遅らせる可能性がある食べ物として大豆製品がありますが、リスクの面から生理をコントロールする目的では摂取するべきではありません。
本来であれば、薬の力に頼らず手軽に生理日をずらしたいと考える人も多くいると思いますが、女性ホルモンを自力で左右させるのはあまり現実的ではないため、食べ物以外の方法について挙げていきます。
低用量ピルや中用量ピル
ピルは避妊のイメージがあるかもしれませんが、生理日をコントロールするときにも使用できるものです。
生理を遅らせたい場合には中用量ピルを使用することが多いです。
ピルを使用するデメリットとしては、食べ物と違って医師の処方が必要になるので手軽に入手できないといったことがありますが、生理日を遅らせるだけでなく低用量ピルを日頃から飲み続けていれば、生理期間を規則正しくすることも可能です。
生理痛が緩和されたり経血量が減少することもあり、生理自体も非常に楽になります。
ピル自体に敷居が高いと感じている人も多くいますが、欧米などでは女性が一般的に利用する薬の一つと考えられており、日本でも女性の社会進出に伴って普及率も徐々に上がっています。
私自身非常に長い間使用していた経験から自信をもってお勧めできますし、リスクが少なく、確実に生理日をずらしたいと考えている人には1番ピルが効果があると言えます。
処方されるクリニックや服用するピルの種類によっても多少異なりますが、ピルで生理を遅らせる方法は以下の通りです。
ピルを飲み終えてから2~3日で生理が来る。
※移動させることができるのは、長くても7~10日間程度
中用量ピルは、低用量ピルに比べて含まれているホルモン量が多いという違いがあり、ホルモン量が多いため作用が強いですが、その分副作用も低用量ピルに比べて出る可能性が高くなります。
個人的にお勧めしたい方法としては、日頃から低用量ピルを服用していて、生理日をずらしたいときに自身でコントロールするのが副作用の面からみても良いと思います。
漢方・ツボ・イメージトレーニングなどは?
巷では、生理を遅らせるために漢方やツボ押し、イメージトレーニングを紹介しているケースもありますが、これらについてはあまり再現性は高くないようです。
月経困難症やホルモンバランスを整える点からは漢方薬は有効なケースも多いですが、生理日移動の目的で使われるものではありません。
ツボやイメージトレーニングなども体の調子を整えて結果として整理にも良い影響があることは期待できても整理を意図的に遅らせるような作用は望めないでしょう。
確実な方法で生理日を移動させたい場合は医師に相談の上、ピルを用いた方法を利用するのが良いと言えます。
生理を遅らせる目的で食べ物の安易な過剰摂取亜は避ける
今回は生理を遅らせる食べ物はあるかという点を確認してきましたが、結論として食べ物で生理をコントロールするのは避けるべきと言えます。
大豆製品などは生理に影響がある可能性はありますが、これらの摂取で生理をコントールするのは現実的ではなく、体に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。
確実な方法としては医師に診察を受けた上でピルを服用する方法があり、最も安全な方法と言えるでしょう。
生理は女性にとって体への影響も多く体重が増えたりすることも少なくありません(関連記事:生理中の体重増加は何キロくらい?いつ戻るのかも確認)。
しかし、生理を意図的に遅らせるなどの方法は体にとっても負担がある可能性があります。
生理とはうまく付き合いながらどうしてもつらい時は自己判断ではなく婦人科やレディースクリニックの医師の力を借りるということを意識しておきましょう。
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