今回の記事では布ナプキンの洗濯方法である布ナプキンの煮洗いについて確認していきます。
煮洗いは衛生面などでメリットが大きい反面、デメリットもいくつかります。
今回の記事では実際に煮洗いを実施している布ナプキンユーザーに煮洗いのメリット・デメリットや煮洗いのコツなどを聞いた結果をまとめているため、煮洗いを試してみたい場合に参考にしてください。
布ナプキンの煮洗いとは?
煮洗いとは洗剤を用いて煮ることにより、殺菌・消毒や汚れを落とす洗濯方法です。
経血などの汚れがつき汚れや衛生面でも心配がある布ナプキンの洗濯方法としてもよく用いられる方法です。
用意するものとして、煮洗い用の鍋と洗剤があります。
煮洗い用の鍋は一般的なステンレス製のものでも構いませんが、よりおすすめはホーロー容器です。
ホーロー容器は臭いが移りにくく、ヌルヌル感が出にくいため布ナプキンの煮洗いには向いている鍋と言えます。ホーロー容器の詳細については以下の記事でもまとめているため併せて参考にしてみてください。
布ナプキンをホーロー容器で洗う理由|汚れがつきにくいなどの特徴も
洗剤についてはアルカリ製のセスキ炭酸ソーダ(アルカリウォッシュなど)や重曹の他、粉石鹸も適しています。また、経血の汚れが強い場合は、酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)を使うのもおすすめです。
漂白剤の中でも塩素系漂白剤(一般的なハイター、ブリーチなど)は色落ちや素材を痛める可能性もあるため避けるのが無難です。
煮洗いのメリットとデメリット|殺菌やシミ抜き、吸収率アップも?
煮洗いを実際にやる上でそのメリット・デメリットをしっかり把握しておくのが重要です。
布ナプキンの煮洗いをした経験がある20人に対して、煮洗いのメリット・デメリットについて聞いた結果は以下のとおりです。
メリット①:殺菌できて衛生的
・ 洗濯機で洗うより殺菌消毒が出来る。 (31歳・女性)
・ 水洗いに比べて、煮沸消毒ができる点。 (27歳・女性)
・ 煮洗いをすると雑菌が滅菌されるのできれいになります。 (49歳・女性)
煮洗いの大きなメリットは衛生的に布ナプキンを使えるという点です。
布ナプキンは経血を含み通常の洗濯だけでは衛生面で不安になるケースもありますが、煮洗いをすることでその心配もかなり解消することが可能です。
布ナプキンを衛生的に使いたい場合にはおすすめしたい洗濯方法と言えます。
メリット②:汚れや臭いも落とせて吸水力もアップ
・ 汚れが落ちやすく、臭いも無臭に近くなる点 (24歳・女性)
・ 汚れが落ちるようになり、油分が取れるので吸水性がアップする (30歳・女性)
・ 黄ばみや、においを取ること、熱消毒にもなるので衛生面でもおすすめです。 (41歳・女性)
煮洗いをすることでシミ抜きの効果や消臭の効果も期待できます。
通常の洗濯ではなかなか落ちにくい経血の汚れも、煮洗いであればある程度落とせるケースも多くあります。
また、煮洗いによって布ナプキンの油分が落ちることにより経血の吸収力がアップすることも期待できます。
このような点も煮洗いをするメリットと言えます。
デメリット①:時間や手間がかかり面倒
・ 手間がかかるので、面倒なところ (32歳・女性)
・ 洗濯機で洗うより時間がかかる。 (31歳・女性)
・ 面倒くさいので、なかなか毎回まめにはできない。種類によっては煮洗いできないものや、生地が傷んでしまうことがあります。 (41歳・女性)
煮洗いの最も大きなデメリットは手間と時間がかかることです。
煮洗いはおよそ40℃〜50℃程度の温度で30分程度煮るのが一般的です。
温度管理や時間管理が必要であり、火を使う作業であるためあまり目を離すことができません。
ある程度時間の余裕があるときに実施する必要があるのはやはりデメリットといえるでしょう。
なお、煮洗いは毎回できない場合でも、選択方法としてつけ置き洗いは頻繁にやることがおすすめです。ホーロー容器を煮洗い用に用意している場合はホーロー容器でつけ置きするのもおすすめです。
布ナプキンのつけ置き洗いの注意点などは以下の記事でもまとめているため、併せて参考にしてください。
布ナプキンのつけ置きは容器と洗剤、時間に注意|ホーローが良い?
デメリット②:鍋を用意する必要がある
・ 道具を揃える手間ができてしまう。 (37歳・女性)
・ とにかく面倒。煮洗い用の鍋を用意しなければならないこと。 (55歳・女性)
・ 素材によっては出来ないことと、鍋を使うので気になる人は気になること (30歳・女性)
煮洗いをするには当然鍋のような容器が必要となり、準備が必要なのはデメリットのひとつです。
経血を含む布ナプキンを洗うため、料理で使う鍋とは分けておくのが衛生的であり、通常は専用の鍋を用意することになります。
一度用意すれば当面は使えますが、それでもデメリットと言える点です。
煮洗いで効果をしっかり引き出すコツ
最後に実際に煮洗いをした経験のある人に対して、「4. 煮洗いを上手くやるコツや効果を引き出すポイントを教えてください。」という質問をした結果得られた回答を紹介していきます。
事前の予洗いをしっかりする
・ ともかく煮洗いするまえに徹底的に洗って汚れを取ること。その後で煮洗いするとスッキリきれいになります。 (49歳・女性)
・ 手洗いをして軽く汚れを落としてから煮洗いする (31歳・女性)
・ 当然なのかもしれませんが、予洗いしてから煮洗いしています (40歳・女性)
煮洗いの効果を最大限に引き出すには事前の予洗いもしっかりしておくのがおすすめです。
特に日にちが経っている経血については予洗いも十分にしてから煮洗いすることで汚れが落ちやすくなります。
また、場合によっては煮洗いしてからさらに追加で軽く手洗いをすると、より汚れが落ちるケースもあるため必要に応じて試してみましょう。
洗剤や鍋にも注意
・ きちんと煮沸させて、セスキ炭酸など、血の汚れが落ちやすい洗剤を適量いれること。 (55歳・女性)
・ 大きめの鍋や、専用の鍋であらうと汚れも雑菌もつきにくいのでおすすめです。粉石鹸も汚れを優しく落としてくれるのでおすすめです。(41歳・女性)
・ 食器用洗剤を水に混ぜて洗うと、汚れが落ちやすくなる。 (27歳・女性)
洗剤の種類にも注意しましょう。
煮洗いで特に推奨されている洗剤はアルカリ製のセスキ炭酸ソーダ(アルカリウォッシュなど)です。
食器用洗剤などの意見もありますが、まずは定番のセスキ炭酸ソーダを試してみてから他の洗剤も試すのがおすすめです。
特に汚れがひどい場合は酸素系漂白剤を使うのもアリです。
温度に注意する
・ 先に予洗いをしっかりすること、温度は50℃くらい。50℃以上になると血液の汚れは固まってしまう。 (30歳・女性)
・ なるべく温度を上げて、短時間で煮洗いすることがポイントです。 (24歳・女性)
煮洗いは温度にも注意が必要です。
基本的に温度が高い方が殺菌効果は強いと言えますが、あまり高すぎると経血が固まってしまい汚れが落ちにくくなります。
布ナプキンの場合は40℃〜50℃が推奨されており、50℃以上は血液が固まる可能性があるためできれば温度計などで管理するのが確実です。温度計を用意できない場合は基本的には弱火で煮るようにしましょう。
以上、煮洗いのコツについて実際に煮洗いを経験している布ナプキンユーザーに聞いた内容を確認していきました。
煮洗いは手間もかかる分、正しくやれば非常に効果が高く衛生面でもメリットがある洗濯方法です。
今回紹介した煮洗いのコツも参考にして衛生的で快適な布ナプキン生活を送りましょう。
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